ストップ高・ストップ安とは

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概要

ストップ高・ストップ安とは、株価の上昇下落を一定限度内に抑える制度。

株価は大きく上昇・下落する場合があるが、そのときに急激な変動で投資家に大きな損害や混乱を与えないようにするため、前日の終値からの上下落を一定限度内に抑制する「制限値幅制度」がある。

株価が一定の価格いっぱいに上昇した場合、ストップ高と呼ばれる。
ストップ高になると、その日はストップ高を超える価格で取引はできない。

一方で、株価が一定の価格いっぱいまで下落した場合がストップ安と呼ばれる。
ストップ安になると、その日はストップ安より低い価格では取引できない。

制限値幅

ストップ高・ストップ安に深く関連しているのが、制限値幅(値幅制限)。
東京証券取引所では、一日の売買における値動きの幅を価格水準に応じて一定に制限している。
この値幅のことを制限値幅と呼んでいる。

基準値段に制限値幅分を加えた価格がストップ高で、制限値幅分を引いた価格がストップ安となる。

基準値段から考える制限値幅

制限値幅は、前日の終値(1日の相場取引における最終値段)などの基準値段によって決められている。

私たちが売買することが多い基準値幅は、以下のようになっている。

基準値幅制限値幅
500円未満80円
700円未満100円
1,000円未満150円
1,500円未満300円
2,000円未満400円
3,000円未満500円


他の基準値幅の場合を確認したいときは、以下を参照。
https://www.jpx.co.jp/equities/trading/domestic/06.html

制限値幅は臨時で変更されることがある

制限値幅は基準値段に応じてあらかじめ定められているが、臨時で変更されることもある。
臨時で変更されるのは、2営業日連続で以下のケースに該当した場合。

ストップ高やストップ安になった上、ストップ配分も行われないの場合

例えば、2/20の終値が500円だったA株が以下の動きをしたとする。

  • 翌朝(2/21)の寄り付き前に買い注文が殺到 → 600円(ストップ高)
    寄り付きからストップ高になり、売り注文が少なければ一日中そのまま(売る人がいなければ「売買高0」)
  • 次の日(2/22)も同じく寄り付き前に買い注文が殺到 → 700円(ストップ高)
    状況は変わらず、売りたい人が出てこないので売買が成立しない
    わずかに売り注文が入ったが、ストック分配が行われない

こうなると市場が固まってしまうため、制限値幅が臨時で変更される。

みんなが「もっと上がる!」と思って買い注文が大量に入っても、売る人がいないと売買が成立しないよね。この場合を「売買高が0株」という表現をするよ。

ストップ分配(ストップ比例配分)とは

ストップ高やストップ安で売買が成立しない場合に、一部の注文だけが約定する仕組みのこと。
買いたい人が多すぎる」「売りたい人が多すぎる」 とき、全員の注文をさばけないので、証券取引所が 公平に一部の注文だけを成立させる 仕組みを取る。

具体的な例

例えば、ある株がストップ高で以下のような注文になったとする。

  • 100,000株の買い注文が入った(買いたい人が多い!)
  • 10,000株の売り注文しかない(売りたい人が少ない…)

このままだと、売り注文が足りないので、全ての買い注文は成立しない。
そこで、取引所が「100株しか売りがないなら、公平に配分しよう!」となり、ストップ配分 が行われる。

買い注文を出した人全員に対して、売り注文の10,000株を比例配分する仕組みになる

売り注文が極端に少ない場合(例えば、売り注文が1株しかない)、ストップ分配は発動しないもあるんだ。

買い注文があるのに途中でストップ高となり、取引ができなくなった場合

午後の取引時間が終了する時に、ストップ高またはストップ安に注文が残ったまま、そして、その注文に対してまだ売買が成立していない状態が続く場合を指す。

これは、取引所の終了時刻前に値段が決まらずに買い(売り)注文が残る状況で、一定の売買成立がないため、制限値幅を変更しないと不公平な状態が生じるという理由で制限値幅の変動が行われる。

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